WILD FLOWOR 辻仁成

 自由の国、ニューヨークであるバーに集う3人の男の視点から一人の女性をめぐる物語であり私小説として実体験を描いた作品。久遠薫とは作者自身であり、そこから発っした想像をもとにした実体験。変な言い方になりますが、作家とはこう有るべきだという作者の意見が述べられている部分、仕事の仕方についての描写、ストーリーのてんかい、山場の作り方や客観的な意見の挿入の仕方、孤独のあり方、私の作品にはエロの要素は入れたくないと思ったり、周辺の人々に迷惑がかかるような作品の作り方はしたくないと思ったり色々な感情を抱かせてもらった。長編小説ということもあり、多くのメッセージがこめられていた。多くの人を登場させることによって多くの意見を出すことができる。生き方を物語ることをしっかりしていたのは彼らしい書き方であると思った。

集英社、1998



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